秘め事2


 ソファーに裸で押さえこまれたまま、由宇香は天井を眺めていた。何故か、それはにじんで、ぼやけてみえた。
 ガムテープが口を押さえているから、息が苦しかった。鼻水が出て、それが鼻の周りを湿らせていた。寒かったのもあったけれど、涙と一緒に流れて、余計に息が苦しかった。 足首と腕が細いロープでつながれていて、由宇香は天井以外を見ることが出来なかったけれど、由宇香は何も見てはいなかった。
 谷村は、由宇香の割れ目に、何かを塗っていた。ぬるぬるした液体のような、ジェルの様な。髪を固めるジェルのような、甘い香りが由宇香の鼻をくすぐった。
「さあ、そろそろいくか。」
谷村は、カメラを持ち直すと、それを構え、自分は由宇香の足の間に座った。
 由宇香は何も考えまいとした。
 これは夢。何も感じない。
「ん、ん。」
由宇香は、自分の毛の生えていない割れ目を拡げられる感触を感じて、声をあげた。
 しかし、それは、谷村の耳にさえ届かなかった。
「使ったことが無いのか、由宇香は。」
そう言って、ごつごつした指を、その拡げた割れ目に押し当てた。
「これが、クリトリスっていうところだ。」
言いながら、その一部をつまみ、それからぎりぎりと力を加えた。
「ん、んん、ん。」
必死で、足に力をこめ、逃れようとするが、身動きがうまくとれない。すぐに、谷村は由宇香の両足を抱え、元の場所に引き戻す。ズボンだけ脱いだ谷村は、滑稽だったが、笑えるような状況ではなかった。
「痛いか。」
由宇香は、必死に頷いた。
「そうか、痛いか。」
ようやく指を離し、
「じゃあ、これはどうかな。」
と言って、自分の指に、またさっきの液体を振りかけた。
「ローションはたっぷり塗っておいてやるよ。急いでいるからな。」
左手にカメラを抱え、右手を由宇香の一本の筋に戻っていた割れ目にぐいっと押しつけた。
「ほら、突っ込むぞ。」
由宇香は歯をくいしばった。引き裂けるような感触が体の奥から沸き上がった。
「ほう、入ったな。抵抗しないのはえらいな。」
由宇香は抵抗しなかったわけではなかったが、どう抵抗していいのか分からないまま、痛みに耐えようと、歯をくいしばっていただけだった。気持ちが、口の中に集中していただけのことだった。
「じゃあ、次は本番。」
そう言っても、由宇香は目を開かなかった。それを見ているのは耐えられない気がした。両足がつかまれて、ぐいっと引かれた。
 谷村は、自分のそれを、線のような短い切れ目にあてると、指でその割れ目を拡げ、その割れ目の下側に押しつけた。
「記念写真だ。」
由宇香は、フラッシュの光が二度瞬いたのを、まぶたごしに感じた。
「じゃあ、入れるぞ。」
再び、由宇香は歯をくいしばって、それに備えた。さっきよりもごつごつしていないものが、由宇香のそこに押し当てられているのを感じた。
「ほら。力を抜け。力を抜かないと痛くなるだけだ。」
谷村は、何度も突進を繰り返した。そして、最後にぐっと押し込むと、それは裂けた。そのまま谷村は、奥まで侵入した。
 由宇香は、目を一杯に開くと、鼻から息を吸い込み、そのまま気を失った。
 力が抜けた小さな体を、谷村は弄び、裏返して後ろから突き上げた。
髪の毛が乱れて、腕はねじれていたが、谷村は気にしなかった。何度も突き上げると、再び表にした。
 由宇香は、気がついていたが、体には力が入らなかった。
 ただ、自分のそこが熱く感じられて、じんじんを音をたているような気がした。
「ん、ん、ん。」
谷村が、突き上げる度に、由宇香はうめいた。由宇香の意思とは関係なく、窒は谷村のそれを包み込み、締め上げるように痙攣した。
「感じているのか、由宇香。」
谷村は、腰を激しく動かしながら、うめいた。
「ほら、もっと感じろ。感じろ。」
由宇香の入り口がぎゅうと縮んだ。
「お、締まる。」
パン、パンとリズムカルに音が続いているのを、由宇香は聞いていた。
 はやく終わって。
 頭ではそう言い続けていた。それなのに、由宇香のあそこだけは、じんじんと痺れ、快感が、押し寄せてくる。
もう、痛みは感じていなかった。
「ほらいくぞ、いくぞ。」
谷村はそう絶叫した。
「ん、んん。」
思わず、由宇香の口から声がこぼれた。あそこが熱い。そこを中心にして、気持ちのいい波が、背骨を伝わって脳に届いた。
「で、る。」
その瞬間、熱いものが、由宇香の中にほとばしった。

 谷村は、ズボンをはくと、最後に一枚、裸のまま縄を解かれて横たわる由宇香の姿を撮った。
「いいか。秘密だ。写真は売るほどあるんだからな。」
そう言い捨てると、その部屋を出て行った。
 由宇香は、裸で横たわったまま、宙を見ていた。
 ただ、あそこだけが、ぬらぬらと光っていた。
 由宇香は、そっと足を動かした。その途端、赤く充血した割れ目から、少しだけ赤い血の混じった白い液体があふれた。
 ゆっくりと流れて、尻のほうへ伸びていく。
 由宇香は、そっと腕をのばし、自分のそこへ指を這わせた。汗ばんでいるお腹を過ぎて、そこに達すると、ぬめぬめの液体に触れた。それをすくい上げると、自分の目の前に持ち上げた。
 そして、それを見ると、ようやく声を上げて泣き出した。