*リュウの死*(ガンダム関係二次創作作品)

 リュウの死は突然で、しかも呆気なかった。
 いつものように出撃直前までミライを弄び、嬲りものにしていたリュウは、何故かその時に限って、ミライの花壺にバイブレーターを入れないまま出撃して行った。それでもミライに、白いレースのスキャンティと、乳首まで露になるブラジャーを着けさせるのを忘れなかった。
 リュウが走り去ったあと、ミライは、恥ずかしさに頬を真っ赤にしながら艦橋へと向かった。だが、いつものような下腹部の充実感が無く、物足りなさを抱えたまま、彼女は操舵輪の前に立つ。ブライトがそんなミライに声を掛けた。
「どうかしたのか?ミライ」
 ハッとして、ミライが振り返った。
「どうもしないわよ。なぜ?」
 穏やかに微笑むミライの表情を探るように、ブライトが、ミライの顔をジッと見詰めた。ミライは内心ドギマギしていた。まるで、体内に燻る淫靡な炎を見透かすような、ブライトの灰色の瞳だった。
 ミライはあまりの緊張で言葉が出てこなかった。このままずっと、ブライトと見詰め合っていれば、やがて自分の心の底まで知られてしまいそうな不安が、ミライの胸の内いっぱいに広がっていった。
 その時、オペレーターの鋭い声が響いた。
「ブライトさん、赤いモビルスーツだ!」
 艦橋の空気が一度に緊迫し、ブライトは表情を一変させた。ミライの事など忘れたように、即座に問い返す。
「母艦はどこだ?敵のモビルスーツは全部で何機いる?」
 赤い彗星のシャアが駆るザクが、ホワイトベースのメインモニター全面に映し出されていた。ブライトの問いに答えるオペレーターの声が震えていた。
☆●☆○★
 アムロは、ガンダムのメインモニターに赤色のザクが映し出されるのを見て、恐怖と興奮がない交ぜになった感情が沸き上がるのを、抑えることが出来なかった。
 これまで、赤い彗星には何度も煮え湯を飲まされている。だが、アムロも数度の戦いの中で成長していた。赤い彗星が相手でも、今なら、そんなに易々と手玉に取られる事など無い。
「ボクは、今までのボクとは違うんだ!」
 三機のザクを前にして、アムロは、渾身の力を込めて叫んでいた。
☆●☆○★
「アムロは一体、何のつもりで前進している?」
 苛ついた声でブライトが言った。肘掛けに拳を叩き付けて、彼は椅子から身を乗り出している。
「相手は三機いるんだぞ?無謀に突っ込んでも、返り討ちにされるだけだ!」
 ブライトはリュウのコアファイターに、ガンダムを援護するよう指示した。そして、モタモタしているカイのガンキャノンの出撃を催促する。
 だが、赤い彗星の動きは、ブライトの布石の常に先を走っていた。あっという間にガンダムがザクに囲まれ、窮地に陥ってしまった。
 そしてまた、ホワイトベースさえも、シャアの命令で背後に回り込んでいたムサイの弾幕を受けて、進退窮まる苦境を迎えていた。
「ブライト!ダメよ、逃げ道が見つからない!」
 レーダーに映し出される機影を確認しながら、セイラが叫んだ。彼女は、ブライトの指示をアムロやリュウに的確に中継しながら、周囲の状況把握も並行してこなしていた。
 ミライが必死に操舵輪を回し続けている様子を、ブライトはジッと見詰めていたが、セイラの叫びに我に返った。
「ミライ、君だけが頼りだ。逃げ道を探してくれ!」
 ブライトの言葉に、ミライは頬を上気させた。こんな時に不謹慎ではあるものの、愛しいブライトに頼られるのが、ミライには何より嬉しかった。
「まかせて、ブライト!」
 珍しく、ミライが大きな声で答えた。
 だがその頃、ガンダムを助けるために、リュウのコアファイターが一機のザクに突っ込み、自爆していた。
☆●☆○★
 リュウの犠牲のお陰で、赤い彗星が撤退を決意し、二機のザクが戦闘空域から離れて行った。そして、ムサイの弾幕が弱まった隙を突いて、ホワイトベースも敵の鋭い顎から逃れることが出来た。
 だが、ホワイトベースのクルー達の表情に、命拾いした喜びは窺えなかった。皆一様に複雑で哀し気な表情で下を向き、肩を落としていたのである。
 中でもミライは、心中にとても複雑な感情を抱えていた。彼女をマゾ奴隷に貶めたリュウが死んだというのに、手放しで喜ぶことも、心底から安堵することも出来なかったのである。
 花壺をギッチリと埋め、歩く度に花唇を擦って、ミライに惨めな思いをさせていたバイブレーターも、豊かな乳房をラグビーボールのように括り出す革製の拘束衣も、強制的にミライに着用を命じるご主人様が居なくなってしまった。その事実が、ミライの花芯に満たされない疼きを燻らせている。ミライの理性がどれだけ否定しようとも、彼女の花芯は、焦らされてジュンと潤う淫靡な熱に火照っていたのであった。
 他のクルー達と同じように暗い顔をして、ミライは、自身に言い聞かせるように、明るく振る舞おうと努力していた。
 そんな時、セイラがミライに声を掛けてきた。
「ミライ、話があるの。私の部屋に来て」
 少し不機嫌そうな表情で、セイラが投げ付けるように言った。ミライは言われるままに、セイラの後に続いた。
☆●☆○★
「あなたの正体を、私は知っているのよ」
 部屋に入るなり、ミライの乳房をギュウと掴んで、セイラはそう言った。
「な、何をするの?」
 ミライが反射的にセイラの手を振り解き、驚きの眼差しでセイラを見た。怒ったふりをしながらも、ミライは、乳首が露な下着を着けていることを知られた動揺を、どう誤魔化そうかと考えている。
「いやらしい下着を着けて、艦橋でお尻を振ってよがってるなんて、みんなが知ったらどう思うのかしら?それに、死んでしまったリュウと変態みたいなセックスをしてたって、ブライトに教えてあげましょうか?」
 セイラが、蔑むような笑みをたたえながら言う。ミライは驚きのあまり両眼を見開いた。
「どうして、それを…」
 ミライの言葉が途切れる。セイラが畳み掛けるように言った。
「あなたとリュウが特別な関係だって事くらい、女なら直ぐに分かるわ。男達は、あなたのお淑やかな外見に騙されているみたいだけれど、一皮剥けば、獣みたいな変態じゃないの?」
 セイラはいやらしい言葉でミライを辱めながら、彼女を壁際に追い詰め、豊満な胸と股間を弄ぐり始めた。ミライはイヤイヤと首を振りながらも、先程のようにセイラの手を振り解こうとはせず、紅い顔をして瞳を潤ませていた。
「今だって、ちょっと触られたくらいで腰を振ったりして、みっともないったら。まるで淫乱な牝犬並みね?」
 セイラは、ミライの紅い頬に軽くキスをする。それだけでミライは、瞳をトロトロにさせて喘ぎ声を洩らした。そしてセイラは、続いて舌を絡ませ、濃厚なキスをミライに求めた。チュバチュバと音を立てて唾液を啜り合う。ミライが、切な気に下半身をくねらせた。
「うふん…あはあっ!」
 どちらからともなく、悦楽の吐息が洩れた。ミライは、セイラの透き通った瞳の奥に、不器用な愛情の欠片を見つけていた。
 そしてミライは、新しいご主人様を見つけたのであった。
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