「・・はい、それじゃよろしく。」
俺は電話を切るとベッドに横になった。

大学に入ってから付き合った彼女とも最近別れ、人肌恋しさもあってか
最近俺はホテトルをよく利用する様になっていた。
今も一人頼んだ所だ。後は相手が来るのを待っていればいい。
「コンコン」
10分程待った所でドアをノックする音が聞こえた。
「お、今日は早いな。」
俺はいそいそと出迎えに行った。
「こんにちは。」
ドアを開けると女は一言そう言ってロクに顔も見ず部屋の中に入っていった。
『なんだ、愛想の無い女だなぁ。』
心の中で一瞬そう思ったが、まぁどうせいつもと同じで
ヤッた後は金を渡してサヨウナラ。それだけだ。でもこれから
SEXをする相手だからな、雰囲気は良くしとかないと・・・。

ふと見ると、女は後ろを向いて服を脱いでいた
「シャワー浴びてくるわね。」
よほど手際がいいらしい。素早く脱いだ服をキチンとたたみ
足早にバスルームに入って行った。

「・・・なんか冷めてるよなぁ・・」
俺は思わず呟いていた。
後姿しかまだ見てないが、声や背格好からすると俺とほぼ変わらない年齢だろう。
肩までの少しウェーブがかった髪が印象的だ。
ホテトル嬢をしている女だ、きっと何か事情があるに違いない。
SEXもビジネスとして割り切ってるのかもしれない。
でも、俺は客だぜ?もう少し愛想を良くしてもいいんじゃないの?
ブツブツ言いながらも裸になった俺は、女が居るバスルームに向かった。

中に入ると、女は体を洗っていた。
「俺も一緒に洗ってよ。」
「いいわよ。じゃあこっちに来て。」
「あぁ、・・・・・・え?」
そして顔を見た途端、俺は固まってしまった。・・・その女の顔には見覚えがあった。

「あ、あの・・もしかして・・玲子・・ちゃん?」
俺は恐る恐る思いついた名前で女を呼んでみた。
「え?」
女はシャワーヘッドを持ったままハッとして俺の顔を見ると顔色が変わっていった。
「やっぱり川村さんだ!俺の事、覚えてる?」
やや慌てて目を伏せた彼女は少し間を置くと、小さな声で
「覚えてる。」と言って頷いた。

川村玲子・・・。俺の小学校の時の同級生。そして俺の・・初恋の相手でもあった。

「なんでこんな事してんの?」
部屋に戻り、ベッドに座ると俺はつい聞いてしまった。
「・・・・・・・・・。」
「で、でもさぁ、ビックリしちゃったよ。まさか
玲子ちゃ・・・川村さんが来るなんて思わなかったし。」
「・・・ねぇ、するの?しないの?」
「え。」
彼女はふいに立ち上がると、バスタオルを外して俺に抱きつきこう言った。
「何でホテトル嬢をしているかなんてあなたには関係ないでしょ?
折角お金を払うんだし、今は楽しむ方がいいんじゃない?」
さっきまでの表情とは違い、妖しい雰囲気を漂わせた彼女は思い切り濃厚なキスをすると俺をベッドに押し倒した。

『憧れの川村さんとキスをしている・・。』
その後の長いディ−プキスで興奮した俺は
そのまま彼女と位置を入れ替えるように上になった。
そして唇を離すと彼女の首筋に舌を這わせた。髪の毛の良い香りが鼻をくすぐる。
「ん・・・・」
ちょっと鼻にかかったような甘い声を聞きながら
指を固くなった胸の先端に持っていき、軽くつまむと彼女の体がビクッと跳ねた。
俺はその反応を楽しみながら、徐々に舌をそこに近づけ口に含んで
舌で転がし、もう片方の手では反対側の乳房を揉みしだいた。
「あ、あぁ・・!」
胸が感じるのか、時々先端に歯を立てると首を左右に振って声をあげた。
そして段々と息を荒くする彼女を見ながら指を胸から腰へと滑らせて行き
少し深い茂みの上にたどり着くとゆっくりとなぞった。

「あ・・・・んん・・!」
指がそこを上下する度に彼女の体が微妙にのけぞっていく。
その内に、そこから湿った音が聞こえ出した。
クチュクチュクチュ・・・
「あ・・・あ・・あ・・」
「すごく濡れてるよ・・。気持ち良いの?」
「やだ・・・・。」
意地悪っぽく言うと彼女は横を向き、片手で顔を隠しながら・・
それでも沸いてくる快感を必死でこらえている様だった。
「我慢しなくてもいいのに・・・ほら。」
そう言いながら俺はなぞっていた指をそこにゆっくりと差し込んでピストンをさせた。
「や・・あああ!」
指を出し入れをする度に透明な液がまとわりつき光っていく。
頃合を見計らって指を抜いた俺は彼女の両足の間に頭を入れた。
そしてさっきまでのピストン運動のせいかムッとする程の女の匂いが
溢れている部分を両手の指で開き、そこに舌を這わせながら
上のピンク色の突起も刺激していった。
「い・・や・・駄目・・・」
言葉とは裏腹な切ない声、そして彼女は俺の
頭を手で押さえ「もっと」といわんばかりに体をくねらせた。

そうしている内に、そのピンクの突起物がはちきれんばかりの
膨らみを見せていた。
「そろそろ入れるよ。」
俺はそう言うと自分のモノをヌラヌラと光っている彼女のそこに押し当て、
一気に腰を沈めた。
「あう!」
その後のリズミカルなピストン運動に合わせるかの様に
彼女の声が部屋に響き渡った。

・・・・それからしばらくし事が終わると彼女は金を受け取り
とっとと部屋を出て行った。
何故ホテトル嬢をしていたのか結局は判らず仕舞いだったし
これを機にお付き合い・・・なんておいしい展開にはならなかった。
現実はドラマの様にはならない。そう実感した俺は、少し淋しい気分で
ベッドの上に座っていた。

END